シミを濡れた布やおしぼりで拭いた後、そこだけ白っぽく見えることがあります。これは一つの現象ではなく、主にスレ、脱色、輪ジミの三つに分けて考えます。
生地表面が毛羽立った「スレ」
繊維の表面を擦ると細かな毛羽が起き、光が乱反射します。正面からは目立たなくても、角度を変えると白く光るのが特徴です。汚れではないため、洗剤で洗っても消えません。
染料が傷んだ「脱色」
おしぼりに含まれる成分、シミ抜き剤、消毒液などによって染料が変化すると、生地の色が薄くなります。濃色のシルクや綿、レーヨンなどで目立ちます。元の色に近づけるには色補正が必要になる場合があります。
水分の境目に残った「輪ジミ」
濡れた範囲の外側へ汚れや染料が移動し、乾くと輪郭だけが残る現象です。部分的に水を足すとさらに広がることがあるため、繰り返し濡らさないようにします。
これ以上触らない
白い跡を汚れだと思ってさらに擦ると、スレや脱色が広がります。まず処置を止め、白くなった経緯を記録してください。
専門店での見分け方
光の角度を変える、表面を拡大する、水分や溶剤への反応を見るなどして原因を分けます。一つの箇所に、シミとスレと脱色が同時に起きている場合もあります。
完全に元へ戻せない場合もある
スレは表面を整えて目立ちにくくし、脱色は色を補います。ただし、繊維が大きく傷んでいる場合や複雑な柄の上では、完全な復元が難しいことがあります。目標を「新品同様」ではなく「着用時に気になりにくい状態」として相談することも大切です。
