着物も布でできていますが、洋服と同じ感覚で水や洗剤を使えるとは限りません。正絹であることに加え、染め方、金彩、刺繍、裏地、仕立てなど複数の要素が一枚に含まれています。
水分で起こる変化
部分的に濡らすと輪ジミになったり、染料が動いて色泣きしたりすることがあります。表地が大きく変化しなくても、胴裏や八掛との収縮差で形が崩れる場合があります。
摩擦で表面が変わりやすい
正絹は濡れた状態で擦ると毛羽立ちやすく、光の反射が変わって白っぽく見えることがあります。シミが取れてもスレが残れば、着用時にはかえって目立ちます。
加工部分はさらに判断が必要
金彩、箔、胡粉、刺繍、絞りなどは、薬剤や摩擦の影響を受けます。古い着物では加工部分の接着力や生地の強度が低下していることもあります。
丸洗いと染み抜きは役割が違う
丸洗いは着物全体の油性汚れや表面の汚れを整える方法ですが、古い黄ばみや水溶性のシミがすべて落ちるわけではありません。目立つシミは、状態を見ながら部分的な染み抜きを組み合わせます。
付着直後の対応
乾いた布で液体をそっと吸い取り、擦らず、そのまま専門店へ相談します。洋服用の携帯シミ抜き剤やおしぼりは使わないでください。
相談時に伝えること
何が付いたか、いつ付いたか、着用予定日、過去の仕立て直しや洗いの履歴が分かれば伝えます。着物は処置後に仕立てや寸法の調整が必要になることもあるため、納期には余裕を持ちましょう。
