同業者からの批判は、正しいことへの道標

今回は、ちょっと毒入ってます(笑)

ボクは染色補正師という職人なんですが、業界内での立ち位置は、どちらかと言うと裏方の職人なんですね。

そんな職人のボクですが、今から10年ほど前に、裏方から表舞台へと踏み出す決心をしました。

BtoB、すなわち業者間取引のみを生業としてきた中で、BtoC、一般消費者と直接商取引を行うことも始めたわけです。

それまで業者さん相手の商いしかしたことがなかったら、どうやって一般のお客さんに認知してもらって集客するか?、一昔前なら悩み苦しんだと思うのですが、今の時代に生きている自分は本当に運が良いと思います。

そうです、インフラとして既にインターネットがありました。

ある程度お金に余裕のある人や会社であれば、自社サイトを専門の業者さんに作成してもらって集客するというのがその当時(今もかな?)は当たり前だったのですが、その頃のボクは社長ではありませんから予算の決裁権もなかったですし、個人の貯金もなかったので、自分でサイトを作るしかありませんでした。

サイトの作成は全く経験のないことでしたが、為せば成るもので(笑)、情熱はあってもお金がないものですから、泣いても笑っても自分で何とかするしかないわけで、意地と根性で必死に調べたり勉強したりして、何とか自社サイトを完成させることが出来ました。

ちなみに、そのサイトがこれです(作った当時のままです)⇒なをし屋

そんなこんなで自社サイトを作り、新たな一歩を踏み出したわけですが、当時、ボクの業界では「ネットで着物のお手入れは集められない」というのが定説になっていました。

何故かと言うと、ボクが自社サイトを作るもっと前から、業者さんに頼んでしっかりとした自社サイトを作って運営している同業他社さんは何社かおられたのですが、どこもあまり集客は出来ていなかったそうなんですね。

なので、「ネットでは着物のお手入れは集まらない=需要がない」という考えが一般的だったようです。

ウチの親ですら、ネットなんかで着物は集まらんだろ・・・って言ってました(笑)

でもボクは、何故だか分からないけれど、きっと上手くいくという希望に満ち溢れていました。

同業者からの批判は、自分の道の正しさを教えてくれる

その他にも、直接と間接両方で色々言われました。

「あいつは職人なのに商人のようなマネをしている」とか、

「職人のくせにメディアに出たりしてチャラチャラしてる」とか、

「なんやネット(SNSなど)で偉そうに言うてる」とか・・・

言ってた人~、ちゃんと知ってるんですよ~(笑)

でもね、同業者の人から揶揄とか批判とかされると、あ、ボクの信じて進んでいる道は間違ってないんだなって思うんですよね。

だって、同業者が批判するってことは、今までやってきた人があまりいないってことだし、何より批判するってことは、ライバルにして欲しくないことだということですからね。

てなわけで、ボクは揶揄とか批判とかされると余計燃えるというか自分に自信を持ってしまうんです。

あ、でも、尊敬する方の批判や助言は素直に聞くようにしております・・・(ΦωΦ)

【訪問着の着物、八掛(裏地)からの色移りの染み抜き事例】

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自然災害により着物が濡れてしまい、八掛という裏地の部分の赤い色が表に全体的に滲んでしまったというお着物です。

当店にご相談いただく前に何軒かのお店で直しようがないと断られてしまったそうです。

このような色移りの染み抜きが難しいのは、移った色を抜くことはそれほど難しくはないのですが、その際に抜けて欲しくない地や柄の色まで抜けてしまうということからです。

これにはコツがあって、抜くというよりも移った色を剥がすというか溶かすというか、そのような感じのコツコツとした作業が必要になります。

IMG_1304

画像と同じようなシミが着物の全体にあって、かなり時間はかかりましたが、かなり綺麗に出来たと思います。

プロフィール

栗田 裕史
栗田 裕史
1969年京都生まれ京都育ち。染色補正という裏方の業種の職人でありながら、BtoBからBtoCへ挑戦。全て自力でサイトを作り「なをし屋」という屋号で、表舞台へと出る。他店で直せない品物の依頼も多く、一年を超える期間のお預かりもある、変色したり黄ばんだりしたシミも直してしまう染み抜き屋です。「物」ではなくご依頼者様の「想い」を救いたいといつも思っています。【国家認定・一級染色補正技能士】【国家認定・京友禅(仕上げ部門)伝統工芸士】
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