紬の着物の赤ワインの染み抜きとクリーニング

赤ワイン

着物を着て飲食をされる機会というのは、染み抜き屋が思っている以上に多いようで、お食事や飲み物のシミを付けられてご相談いただくということが非常に多いです。

ちょくちょくTwitterで呟いたりしているのですが、シミという物は、付いた状態で何もせずに時間があまり経っていない状態が一番綺麗に落とせますので、飲食で着物にシミが付いたら、出来るだけ早くプロの染み抜き屋にご相談いただければと思います。

(ネットで自分で出来る染み抜き方法などが紹介されているようですが、ほとんどの場合、その情報を信じて自己流の染み抜きを行った結果、シミが付いただけの時よりも酷い状態になって途方に暮れて当店のような店にご相談いただくというパターンとなっておりますので、ネットにある真偽が定かでなく誰も責任を取らない情報を鵜呑みにするのはやめておきましょう)

 

さて、今回の染み抜きは、紬の着物にド派手に赤ワインをひっかぶったシミの染み抜きです。

紬の中でも、メーカーさんが生紬と呼んでいる生地のようで、少し固さのある紬の生地でした。

 

紬 赤ワイン 染み抜き

 

調べてみると、この生紬という生地は、反物を織るための糸の不純物をとる精錬という作業をある程度の所で止めて、わざと固さの風合いを残した生地だそうです。

ここで一つの問題が浮かび上がってきます。

赤ワインの染み抜きの場合、有効な薬品はあるのですが、その薬品も使い方を間違えると、前述のわざと残した不純物も落としてしまうんですね。

そうなると、生地の特徴的な風合いを狙って残した不純物が落ちてしまうと。生地の風合いが変化してしまうという結果になってしまいます。

具体的に言えば、生地の固さが変化して、ヘニャヘニャになってしまいます。

そしてそうなったら基本的には元に戻すことは出来ません。

染み抜きを行う場合、シミを抜くことだけに集中してしまうと、思わぬ事故を起こしてしまうので、染み抜き屋は常に調子に乗らない心持ちが必要になります(笑)

 

紬 赤ワイン 染み抜き後

 

調子に乗らずに慎重に作業をしたので、生地の風合いも変えずに綺麗に染み抜き出来ました。

プロフィール

栗田 裕史
栗田 裕史
1969年京都生まれ京都育ち。染色補正という裏方の業種の職人でありながら、BtoBからBtoCへ挑戦。全て自力でサイトを作り「なをし屋」という屋号で、表舞台へと出る。他店で直せない品物の依頼も多く、一年を超える期間のお預かりもある、変色したり黄ばんだりしたシミも直してしまう染み抜き屋です。「物」ではなくご依頼者様の「想い」を救いたいといつも思っています。【国家認定・一級染色補正技能士】【国家認定・京友禅(仕上げ部門)伝統工芸士】
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