男児祝い着・お宮参り着物の脱色・変色の色修正とクリーニング

七五三

11月といえば、そう、七五三ですね。

ですので、先月あたりからずっと、七五三用の祝い着の染み抜きやクリーニングのご依頼が続いております。

いつも言っていることなのですが、祝い着などの何かのイベントでしか着ない着物は、タンスなどの中に収納したまま何十年ということが珍しくないため、開けてビックリ、シミだらけ!ということが少なくありません。

そして、これも常にお伝えしていることなのですが、お子様用のお着物は、その生地が丈夫でないことが多く、染み抜きもあまり無理が出来ないことが多いのです。

特に男児用の年代物のお着物の場合、その当時に流行ったのでしょうか?、正絹だとは思うのですが(混紡もあるようですが)、かなり薄い生地で作られた物があり、その手の物は特に染み抜きなどに細心の注意を払う必要があります。

生地が薄いということは、物理的なダメージに弱いということになりますので、染み抜きを行う前からすでに生地が劣化して破れているような場合もあります。

今回お預かりさせていただいた男児用の祝い着も、良く言えば生地がかなり繊細で薄い生地でした。

保管中におそらくカビが生えてそれがシミになったのでしょう、着物の全体に変色と脱色のシミが無数にありました。

中でも、後ろ身頃に大きな脱色があり、修正にはちょっと苦労いたしました。

 

男児 祝い着 変色 修正前

 

脱色部分は元は黒に染めた部分なのですが、黒の脱色や変色の修正って、黒を塗れば直せるんだから簡単でしょ?って思う人も多いかもしれません。

実は、そうじゃないんですね。

黒と一口に言っても、赤っぽい黒、青っぽい黒、緑っぽい黒など、色の分類としては黒でも、様々な色目の黒があります。

さらに、年代物の着物ですと、元の黒が色褪せているので、その褪せた黒に合わせて色修正を行わないといけないのと、打食や変色した部分は真っ白ではありませんので、脱色部分の現在の色に何を足せば周囲と同じ黒になるのか?を判断して色を合わせなければなりません。

 

男児 祝い着 変色 修正後

 

かなり大きな脱色でしたので、多少の色ムラは残りましたが、かなり目立たない状態に直せました。

プロフィール

栗田 裕史
栗田 裕史
1969年京都生まれ京都育ち。染色補正という裏方の業種の職人でありながら、BtoBからBtoCへ挑戦。全て自力でサイトを作り「なをし屋」という屋号で、表舞台へと出る。他店で直せない品物の依頼も多く、一年を超える期間のお預かりもある、変色したり黄ばんだりしたシミも直してしまう染み抜き屋です。「物」ではなくご依頼者様の「想い」を救いたいといつも思っています。
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