「着物は伝統」軍 VS「着物はファッション」軍

戦い

土曜の朝、何気なく眺めていたTwitterのタイムラインにこんなニュースが流れてきたのであまり深く考えずにシェアしたら、思いがけずバズってしまいました(ボクが書いた記事ではないので、何の自慢にもならないんですけどねw)

 

世の中には、「着物警察」と呼ばれる迷惑ちょっとおせっかいな人たちがいます。

そんな着物警察に取り締まられたことがある人はどれくらいいるのか?という疑問が湧いてきたので、こんな質問もツイートしてみました。

 

 

この記事を書いている日曜の夜の段階で、あると回答した人が20%、ないと回答した人が50%、着物警察を知らない人が27%、自分が着物警察だという人wが3%いました。

まだ最終的な結果は出てませんが、すでに700票ほどの投票があるので、それほど大きな変動はないと思われます。

着物を着たことのある人で、取り締まりにあったことのある人は二割。

この数字は果たして多いのか?少ないのか?

受け取る方によって意見が変わると思います。

ここで、実際に着物警察がする取り締まりにはどんな物があるのか? ニュースの本文から「被害者」の声を引用してみます。

「いきなり襟や袖を引っ張って呼び止められ、“裄が足りてない、だらしがないねえ”と説教をされた」

「化粧室で突然、背後に回られたかと思ったら帯の形を整えられた。それだけならまだしも、去り際に“キチンとしなさいよ、みっともない!”と言われた」

「“現代っ子の体格には似合わない”と言われた」

「ハーフアップにしていたら“まとめ髪以外は認めない”と言われた」

「“化粧が濃い”と言われたかと思えば、別の人には“着物なんだから、もっと粉を叩かないと!”と言われた」

「“羽織が着物の柄に合っていない”“帯の色が着物に合っていない”“私ならこうする”など、面と向かって、または聞こえよがしに言われる」

「“その生地、ポリエステルでしょ、安っぽいわね”“私はもっといいものを持っている”など、自慢話をされた」

「着物警察」のせいで和装離れが加速、街中での警笛はもはやパワハラの域(週刊女性PRIME) – Yahoo!ニュース より

いやー、これは酷いですね。

ボクも着物業界の人間ですから、着物警察という存在自体は以前から知っていましたが、アリかナシかで言えば、120%ナシですね。

知ってる相手ならまだしも、全然知らない相手に対してなんでこのような高圧的で無礼なことが出来るのか?

自分は何かの特権を持っているとでも言わんばかりの横暴さは、まさに「警察」と呼ばれる所以でしょうか。

ボクは業界の人だけではなく、着物を着るユーザーさんともパーティーなどで交流したりするのですが、今まで実際に着物警察に会ったことはないんですよね。

着物業界の関係者が主催するパーティーに着物を着て参加してくださるような方々ですから、普段から頻繁にお着物をお召しになられている方が多いんですが、そのような方々は、例えば若い方が思い思いの着こなしで着物を着ていると、それがいわゆる「伝統」から離れていても、着物警察のように取り締まりをするどころか、「その小物カワイイわね~ どこで買ったの?」などといった感じで、その方がかなりの着物歴であったとしても、若い方を温かい目で見守って、一緒にキャッキャされていて、とても和やかな雰囲気なんですよね。

ここで、一つの疑問が湧きます。

ネットでもそういう意見がちょくちょく見受けられるんですが、果たして「着物警察は本当に着物が好きなのか?」という疑問です。

本当に着物が好きならば、着物を着てくれる人が増えたら嬉しいはずなんですよね。

実際、先の話のパーティーに来られるようないわば着物のヘビーユーザーさんは、まだ着物を着始めたばかりの方などにとても優しくされています。

決してダメ出ししたり頭ごなしに否定したりしません。

それはやはり、着物が心から好きだから、仲間や後輩が増えると嬉しいからなんだと思います。

着物警察の人も、もしかしたら着物が好きなのかもしれません。

着物が好きだから、自分の知識やいわゆる伝統と違うのが許せないのだという「正義」があるのかもしれません。

ですが、信念を持つことと主張することは誰もが持つ自由ですが、自分の価値観を押し付けて他人を否定して、さらに赤の他人に実力行使や暴言を吐くということは、やはり許されざることであると言わざるを得ません。

もしかしたら、着物警察の一連の行動は、本人としたら親切心で教えてあげているつもりなのかもしれません。

ですが、本当に親切心ならば、そこには相手を思いやる愛があるはず。

愛があるなら、行動や言動は自然と優しくなるはず。

本当に親切心で教えてあげたいのなら、まずは相手を認めることからがスタートになるはずです。

頭ごなしに否定から入るのは、親切心ではなく、単にマウンティングをして己の憂さ晴らしの道具に赤の他人を利用しているだけの卑劣な行為です。

で、着物警察は、実はユーザーだけではなく、着物業界内にもいるんですよね。

業界内の着物警察は、口を開けば「伝統、伝統」「絹以外の着物は着物じゃない。普段着の着物とか(嘲笑)」

カジュアルに着物を着て楽しんでいるユーザーを見ては「だらしがない、伝統を壊すな」「着物は季節の装いやコーディネートの決まりがあるんだ」

とかほざいてます。

ここでボクはそいつらに言いたい。

 

 

 

ばーーーーか、ばーーーーか!!!

たかだか戦後からの文化を、伝統とか言ってんじゃねーよ!!!

 

業界内でも、着物は伝統軍と着物はファッション軍が、日々暗闘しています。

今日は以上です。

 

プロフィール

栗田 裕史
栗田 裕史
1969年京都生まれ京都育ち。染色補正という裏方の業種の職人でありながら、BtoBからBtoCへ挑戦。全て自力でサイトを作り「なをし屋」という屋号で、表舞台へと出る。他店で直せない品物の依頼も多く、一年を超える期間のお預かりもある、変色したり黄ばんだりしたシミも直してしまう染み抜き屋です。「物」ではなくご依頼者様の「想い」を救いたいといつも思っています。
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